2012年7月4日水曜日

電子書籍の現状【制作現場の惨状】 今さら……第36回


電子書籍の現状【制作現場の惨状】 今さら……第36回

今さら聞けないネットのあれこれ。
今回は
「制作現場の惨状」
についてお話します。

重要度:★★★
難易度:★★


3.制作の現場
過去2回の記事からわかるように、フォーマット・ハードの多様化を推し進めた結果、現在の電子書籍の制作現場では、大変な事が起きています。

想像してください。一つの作品を複数のフォーマットに対応させ、尚且つそのフォーマットを各種のハードに対応させるべく、数種類の分類を行い、それぞれを制作してゆく……

その作業は、それぞれのフォーマットによって使用する制作ソフト(オーサリングツール※1)が必要になり、フォーマット間の互換性があまり無いので、一つのソフトで一つのフォーマットしか制作できない場合もあります。(複数のフォーマットに対応したソフトもある)と言った具合です。

では、そもそも電子書籍のデータ制作とは、どういった手順で作られるのか?簡単に説明しましょう。

基本的には、印刷用のデータから電子書籍用のフォーマットデータを制作します。

フォーマットの回でお話した、ePub形式のデータであれば、印刷データを制作したレイアウトソフトから、制作する事も可能ですが、他のフォーマットの場合は、それぞれ専用の制作ソフトを使っての作業となります。

しかもその作業は、もう一度、同じレイアウトに組み直す。と言った内容が殆ど。
全くゼロの状態から組み直す訳ではなく、若干の手直し?程度の物から、様々のようでアプリによってかなり変るらしいです。

もう、想像しただけでうんざりです。
一般の方には想像しにくいかと思いますが、この作業でどれだけの労力がかかっているか……

つまり一つの作品だけで、膨大な時間と人員を使っているはずなのですが、実際の販売価格は数百円~とかなり安い。

話が横にそれますが、実は日本では、書籍の値段が欧米に比べて非常に安く設定されています。
その結果、アメリカでは、安い電子書籍の人気が出たと言えない事も無いですね。

しかし、日本ではそうもいきません。
この現状になってしまった原因は、前回お話したように、企業側の独自路線を狙ったが為の失策?と言えるのでは無いでしょうか。

いずれにしても現状では、制作サイドの負担が大きすぎて、先行きが暗すぎます。
せめて、汎用で誰でも制作できるような仕組み(フォーマットとハードの両面)を構築しない事には、大きな流れになる事は出来ないのでは?と思えるのですが、皆さんはどう思いますか?



オーサリングツール※1
オーサリングツール (Authoring Tool) は主にプログラムを書かないでソフトウェアや作品を作るためのアプリケーションソフトウェア。ただし、必要に応じて補助的なプログラムを書くことができるものが多い。
グラフィックツール、音楽ツール(DTM系)、出版系(DTP用)、ウェブサイト制作や運営管理に用いるWebオーサリングツール、ゲームやスライドショーなどの制作に用いるマルチメディア系、DVDソフトの制作用などがある。
出典:Wikipedia



2012年7月3日火曜日

電子書籍の現状【ハードにつてい】 今さら……第35回

電子書籍の現状【ハードにつてい】 今さら……第35回

今さら聞けないネットのあれこれ。
今回は
「電子書籍のハードウェア」
についてお話します。

重要度:★★
難易度:★★



2.ハード(リーダー)
先日発表された、Googleのネクサス7もそうですが、現在電子書籍の閲覧が可能なハード(端末)は、キンドルの様な専用器だけではなく、スマートフォン・タブレット・PCブラウザー・PC専用アプリそして携帯電話(フューチャーフォン)と言った状態で、まさにカオスです。

これは、我々ユーザー側から見れば、非常にありがたい事のように思われますが、実はそうでもないのです。

前回のフォーマットと同様に、あまりに多様化してしまった為に、電子書籍のデータを制作する製作者側に、多大な負担がかかる状態になっているのが、現状です。

キンドルの様に専用端末であれば制作するデータは1種類で良いのですが、複数のハードに対応しなければならないデータを制作することは、時間も労力も非常にかかります。

何故、この様な状態になったのか?
じつは、この問題の一つとして、出版社が電子書籍を販売しようとしたからという事が考えられます。

では、出版社が電子書籍を販売することが、何故問題なのか?
元々、出版社は書籍を販売することが仕事ではなく、書籍を制作することが仕事です。
本来であれば、書籍データを制作して、そのデータを販売店(アマゾン等)に配布すれば問題は無いのですが、インターネットの世界では、そうした販売も自社行うことが可能です。

企業としては、自社で販売できるデータを持っているのであれば、販売店にデータを卸すよりも、そのまま販売した方が利益率が高いので、当然自社で販売しようと考えます。

しかし、ここで一つの問題が発生します。
アマゾンのように、自社で独自のハードを開発できれば良いのですが、普通の出版社にそのような技術はありません。そこで、最も簡単なWEBブラウザーを利用した専用のビュアーソフトを利用すれば、簡単に自社で電子書籍の販売が可能になります。

ビュアーソフト自体は、ソフトメーカーから、FlashやPDFをベースとしたものが販売されているのでそれを活用すれば、抵コスト・短期間で販売体制が整います。

また、最近ではWEBブラウザーベースのビュアーソフトも登場しているので、比較的簡単に出版社自体で電子書籍の販売を行うことが可能になりました。

このことが、現状の複数ハードへの対応という、非常に厄介な状態を生み出しているのです。
つまり、既存技術の流用による、小額投資で自社の製品を販売し、尚且つ独自フォーマットを使用する事で、顧客の囲い込みも出来る。と言うまさに出版社には濡れ手に粟の状態を作り出したことになります。

しかし、この状態は、大きな問題を孕んでおり、それが現在の電子書籍マーケットに暗い影を落としています。

それは、汎用性の高いビュアーソフトを用いたために、ハードへの対応を迫られると言う状態に陥っていることです。

専用端末での閲覧で、あればその端末に合わせればよいのですが、汎用性の高いシステムゆえに、複数の端末(ハード)への対応をしなければならないと言うことです。

タブレットで読める本が、スマートフォンで読めない。と言ったことが本来であれば、当たり前のはずですが、それでは売り上げが落ちる可能性があります。
そこで、本来は読めないはずのスマートフォンで読めるように対応したプログラムを利用することになります。当然そのプログラムはスマートフォン専用に開発されているので、電子書籍のデータもまた、それ専用のものを用意することになります。

また、対応するハードも、年々増えてその画面表示サイズや、基本OSによって仕様が変ります。
そうした、ハード全てに対応する状況を作り出さなければ、売り上げが確保出来ない、あるいは顧客を囲い込めない状態になっている。と言うのが現状です。

これほど急速に普及したハード市場に追いて、公平なサービスの提供は必ずしも必要なのでしょうか?

アマゾンのキンドルが何故、アメリカであれだけ売れているのか、もう一度検証してみる価値はあると思うのですが。


2012年7月2日月曜日

電子書籍の現状・【フォーマットについて】 今さら……第34回

電子書籍の現状・【フォーマット】 今さら……第34回

今さら聞けないネットのあれこれ。
今回は
「電子書籍の現状」
についてお話します。

重要度:★★
難易度:★★


Googleがネクサス7を発表して、アメリカではアマゾンのキンドルキラーのように言われていますが。
日本での発売は未定ですね。
キンドルについても幾度となく、日本発売の噂が流れていますが、未だに発売される様子がありません。
それは、何故なのか? 一言でいえば日本の電子書籍を取り巻く環境が特殊だからだと言えます。

と言う事で、数回に分けて日本国内における電子書籍の現状を、独断と偏見で語ってみたいと思います。

その1回目は、電子書籍のフォーマットについて、お話します。

1.フォーマット
なぜに共通フォーマットにしないのか?
共通フォーマットを採用すれば、色々なメリットがあるはずなのに、何故共通フォーマットを採用しないのか?

元々、電子書籍には、ePub(イーパブ)※1という世界標準のフォーマットがあります。
このフォーマットは、アップルが採用している正式な電子書籍のフォーマットでもあり、アマゾンの使用しているフォーマットの基本でもあります。
(アマゾンのフォーマットはePubをベースとして独自のコードを追加したモノです)

世界的に見てもこのePubが、一般的には電子書籍の基本フォーマットとなっています。
しかし日本国内ではこのePubを使用した電子書籍というのはほとんどありません。

なぜなら、このePubフォーマットのデータファイルは基本的に、端末にダウンロードし保存してから閲覧するタイプになっているからです。
(もちろんダウンロードせずに閲覧することも可能ですが)

ダウンロードするということは、いつでも好きな時に本を読むことができます。しかしその半面販売店もしくは出版社は一ユーザーにつき一回しか課金が発生しません。

これでは出版社としてはあまり旨味がありません。また、ダウンロードしたデータをファイル共有ソフト等を使用して、ネット上に流出てしまう事も、ePubを使用しない要因の一つと考えられます。

そして、おそらく最大の理由として、ePub形式のデータは小説や、論文等のテキストを中心としたシンプルなレイアウトの書籍には向いているのですが、雑誌などの写真を多様したものや、
雑誌の見開きのように複数ページにわたる表現が苦手です。
つまり、見た目がシンプルで凝った表現には向かないデータ形式なのです。

日本の場合、広い意味で書籍とは、雑誌や漫画などが含まれます。
書店を見ていただければ、判ると思いますが店舗の売り場で、雑誌や漫画、コミックと言った売り場は店舗面積の1/3程度の広さを占めているかと思います。
つまり、それだけ雑誌などが売れている。ということになります。

出版社が電子書籍をはじめようと思ったときに、真っ先に考えることは、
「売れるコンテンツを作る」事です。となれば、自然と雑誌の電子書籍化を考えるはずです。

そのときに、見た目の悪い雑誌は売れないと判断する事は、容易に想像できます。
となれば、必然的にePubフォーマットでの電子書籍化は、せずに独自のフォーマットでの制作を検討することは、自然な事でしょう。

複雑なレイアウトには向かない事が、ePubフォーマットでの普及の妨げと言える大きな要因かも知れません。

もちろん、シンプルなレイアウトに変更してePub形式で制作することは、可能なはずですが出版社はより高い付加価値を商品に添加して、単価を上げることが出来れば、そちらに方が良いに決まっているので、当然の対応と言えます。

また、電子書籍を制作する際に雑誌用に制作したデータを流用して制作できるように出来れば、わざわざ電子書籍専用のフォーマットで制作する必要も無くなり、コストも下げられる。と考えるはずです。

しかし、実際はそう上手くはいきません。
制作に関しては後日詳しく説明するのでそちらをごらんください。

いずれにしても、現状の電子書籍を取り巻く環境は、日本に限ったことではなく、世界的に観ても、複数の電子書籍フォーマットが存在して、フォーマットの統一などと言うことは、むなしい絵空事のようになっているのが、現状なのです。



ePub形式
EPUB(イーパブ)は、電子書籍の規格の1つである。米国の電子書籍の標準化団体の1つである国際電子出版フォーラム (International Digital Publishing Forum, IDPF) が普及促進している公開された仕様の電子書籍用ファイル・フォーマット規格である。「EPUB」は"Electronic PUBlication"の意味を持ち「epub」「ePub」などと表記される場合もある。そのオープン性と単純さから、対応する電子書籍のハードウェアやアプリケーションソフトウェアは多く、英語圏での電子書籍用ファイルの標準規格となっている。 
出典:wikipedia EPUB



2012年6月28日木曜日

著作権法違反の通知が来たら。 今さら……第33回


著作権法違反の通知が来たら。 今さら……第33回

今さら聞けないネットのあれこれ。
今回は
「著作権法違反」
についてお話します。

重要度:★★★★
難易度:★★★



もしあなたの元へ、著作権法違反に関する通知が届いた場合は、まず事実関係を確認しましょう。

あまり考えたくないことですが、詐欺の可能性もありますので、まず違反している内容を確認しましょう。

この時、注意したいのは自分が制作したモノで無い場合です。
つまり、制作会社等に依頼して作ったモノの場合は、どういう素材を使って制作されたが不明なモノが多いので、そう言った場合には、まず制作会社にその旨を伝えて調査してもらいましょう。

そのうえで訴えている事実に間違いがなければ、指摘のあった違反内容を削除または修正しましょう。

次に、相手が要求している内容にどう対応するか検討しましょう。

日本国内の場合、この手の通知は大抵の場合まず弁護士ではなく、著者から直接きます。
その場合に利用されていた制作物の内容にもよりますが、違反個所の削除修正程度で解決する場合もありますが、損害賠償を請求される場合もあります。

同じ日本人相手の場合は、相手側が大手企業でない場合は、謝罪程度で済む場合がほとんどです。ただし、利用した制作物によって利益を得ていた場合は損害賠償請求をされる場合が多いですが
(ほとんどの場合は、削除・修正後に相手に対して謝罪で終わってしまう事が多いです)

大抵の場合、こうした損害賠償請求を通知してくるのは、企業から依頼をされた弁護士になります。

また海外からの著作権法違反の通知の場合は、損害賠償請求が同時に出されている場合がほとんどです。

国内・海外どちらの場合でも損害賠償請求をされた場合、その金額の算定方法に異論がない場合は、素直に支払いに応じましょう。仮に異論がある場合はその旨を相手に明確に伝えなければなりません。

もちろん支払金額が多額になる場合などは、一括の支払いではなく、分割等の支払条件に変更するためにも、支払い方法についてはまず相手方の担当者とよく話をした方がよいでしょう。

もし、交渉に不安があるようであれば、弁護士に相談することをお勧めします。
こちらは、法律に対して素人ですから、相手の方が有利です。
ですから、こちらも弁護士に相談して、最良の方法を探る事は悪い事ではありません。

仮に著作権法違反そのものに対して異論がある場合は、裁判という形になるでしょう。
しかし裁判をしたところでほとんどの場合は、著作権法違反から逃れることはできないので、裁判において争うとすれば、著作権法違反についてではなくむしろ損害賠償金額についての算定基準に関する裁判という流れになるでしょう。

いずれにしても、著作権法違反をしているのであれば何をどう繕ったところですべては無駄ですが。

時間と労力を掛けても、ほとんどの場合は無駄になる場合がほとんどなので、素直に支払いに応じた方が、良いです。



2012年6月27日水曜日

著作権違反で文句を言われないようにその2 今さら……第32回


著作権違反で文句を言われないようにその2 今さら……第32回

今さら聞けないネットのあれこれ。
今回は
「利用申請」
についてお話します。

重要度:★★★★
難易度:★★★



著作権違反で、困らない為にはどうしたらよいか?

まず、自分が制作したモノ以外はすべての物に著作権がある、と言う認識を持ちましょう。

これ、当り前の事なのですが、一般の方は意外とこの認識が希薄で…… 困る時があります。

制作物の規定は、目に見えるモノ以外にも、文章やアイディアなども含まれるので、かなり広範囲に及びます。また、個人と法人・団体では著作権の扱いも違うので、法人・団体が使用していものについては、特に注意が必要です。

では、他の人が使っているモノ(制作物)を利用する場合は、どうしたら良いのか?

基本は、使用許諾を得る事ですが、まぁブログなどの非営利目的の場合は、個人・法人を問わず、所有所在※1を明らかにして、所有者サイトへリンクを設定すれば、大きな問題にはならないでしょう。

ただし、これはそのブログが非営利である事が前提です。
これがアフェリエイトや営利目的に使用する場合は、たとえ個人での使用であっても、所有者に対してしっかりとした使用許諾を申し入れた方が、問題が起こりにくくなります。

使用許諾のとり方として、下記のポイントを押さえておけば、相手先とのやり取りがスムーズ行きます。
  1. 使用したい制作物の明記
  2. 使用方法
  3. 使用期間
  4. リンクおよびコピーライトの表示

1.使用したい制作物の明記
意外と見落としがちですが、何を使用したいのかをはっきりと明記しましょう。
こちらは、使いたい制作物がわかっていますが、相手はわかりませんので、何を使用するのか、明記しましょう。

2.使用方法
webに掲載するのか、紙媒体(雑誌等)なのか、それ以外なのか。
個人でし使用するレベルで紙媒体は無いかと思いますが、使用方法の明記は必須ですので、どういった形で利用するのか明記しましょう。

3.使用期間
期間が決まっていれば、明記しブログのように特に決まっていなければ、その旨明記しましょう。

4.リンクおよびコピーライトの表示
利用にあたり、サイトへのリンクと、コピーライトの掲載を明記する事は、相手に対しての最低限の礼儀になるので、明記しておきましょう。

上記4項目は最低限の条項として、記入し、相手先に使用許諾の打診をしましょう。

所有者が個人の場合は、特に使用料等の請求も無くこれでOKがもらえるはずです。
ただし個人でも作品制作を仕事として行なっている方は別です。
そう言った方は、法人と同じ様に使用料金が発生する可能性は高いと思います。

いずれにしても、他のサイトや、個人で使用している素材を使う時には、やはり事前に確認をしておく事をお勧めします。

また、もう一つ注意したいのは、著作権フリーと表記されている、素材サイトの場合にも注意が必要です。
著作権フリーと聞くと、何をやっても問題ない?
と誤認しがちですが、多くの素材サイトには、利用規約が必ずあります。著作権フリーとは、その利用規約に沿った状態での使用ならば、著作権フリーで使う事が出来ます。と言う意味のサイトが多いので、必ず、利用規約は読みましょう。

あと、これは日本語の難しいところですが。著作権フリーと言う言葉の多くは、「著作権を放棄した」と言う意味ではありません。あくまで基本的な著作権は制作者に帰属しますが、加工などの変更や、コピーライト表示の義務はありませんという意味が多いです。

その部分の誤認が非常に多いので素材サイトでの材料を使用する場合は特に、注意が必要です。



所有所在※1
つまりは、この制作物はこちらの人(法人)に所有権があります。と明記する行為です。
多いのは、コピーライトの明記ですね。


2012年6月26日火曜日

著作権違反で文句を言われないように 今さら……第31回


著作権違反で文句を言われないように 今さら……第31回

今さら聞けないネットのあれこれ。
今回は
著作権の確認
についてお話します。

重要度:★★★★
難易度:★★



先日、著作権改正法案、衆議院で可決
これにより、今までかなりグレーとされていた部分について、「違法」との刑罰化が進みそうです。

で今回はこの改正法案の中身は、やりません。
正直、この問題を考えるより、もっと根本的な【著作権】についてのお話です。

著作権法はみなさんご存じかと思いますが、以外にご存じないのは、その使用方法です。

簡単にいえば、もしかすると貴方も著作権の侵害をしているかもしれません……
と言う事です。


では、実際の著作権侵害とはどういったことなのか?

著作権侵害(ちょさくけんしんがい)とは、著作権の目的となっている著作物を、著作権が及ぶ範囲で利用する行為であって、その利用について正当な権原を有しない第三者によって行われるものをいう。 (Wikipediaから転載)

平たくいえば、著者が決めた目的以外の使用方法や、著者の了承を得ずに、他人の著作物を勝手に利用する行為となります。

最近はブログやSNSなどで、頻繁に記事を書いて投稿するが多い昨今ですが、その時に使用する文章や画像全てに著作権がある事はご存知ですが?

よく著作権問題で取り上げらるのが、音楽や写真・画像と言った、制作物と言われるモノですが、実はブログの文章その物にも、著作権はあります。

公儀の意味で、【著作権】と言うのはそれを制作した本人に帰属するものです。
つまり、今読まれているこの文章は、私に著作権があり、他のブログ等に引用する場合は、法的には私にことわりを入れる必要性があると言う事です。
※使用許諾と、著作権は別の物ですので、それも勘違いなさらないようにご注意ください。

では、先ほど言った著作権違反とは、どういうことかと言いますと。

例えば、お気に入りのブロガーさんが綺麗な写真をブログにUPしたとします。
貴方は、その写真を自分のブログに貼りこんで「綺麗な写真でしょう」とコメントします。
もちろん相手のブロガーさんにリンクも貼ってあります。

実はこの場合公儀の意味では、著作権法違反をしています。
問題の行為は、写真掲載の確認をしたか?
と言うところになります。

もし、この写真が、実はブロガーさん撮影の物ではない場合(このブロガーさんも別の人からの転載だった場合)、著作権は当然、元の撮影者にあるわけです。

仮に、この撮影者さんから、貴方宛に「この写真は私の物です。貴方は私に掲載許可をとりましたか?もし掲載許可をとっていないのであれば、著作権法違反で法的手段うんぬん……」
などと言うメールがいきなり来るかもしれません。

つまり、ブログ掲載時に一言、ブロガーさんに「転載の許可」と言った内容で、写真掲載に関する問い合わせをしていれば、この問題は解決していたかもしれません。

こういった事は、よくある事で、画像などは転載の転載……と言った事も普通に行われています。

上記の事は、あくまで厳密な意味での法運用での事ですが、こういった基本的な事を理解していれば、何が違法なのか?
という最低限の疑問はある程度わかるのでは、と思います。

また、よくある間違いに「リンクフリーです」と書いてあったから……
などと言う方もおられますが、「リンクフリー」「著作権」はなんの関連もありません。
基本的にWEB上にあるデータ全てに、何らかの著作権がある。と思ってください。

また「著作権フリー」と書かれているサイトがあったとした場合は、利用規定を必ず確認してください。
【著作権フリー】と書いてあっても、色々と利用に関しての規制がある場合が多いので、ご注意ください。

とにかく、WEB上のデータを利用しようと思った場合、まずその著作権が何処に帰属して、利用する場合にはどう言った制約があるのか?と言う事をよく確認してください。

ある日突然、貴方の元に「著作権法違反に付いて……」などと言うタイトルのメールが届かないように。


2012年6月22日金曜日

操作マニュアルとしての動画サイト 今さら……第30回


操作マニュアルとしての動画サイト 今さら……第30回

今さら聞けないネットのあれこれ。
今回は
「動画サイトの活用法」
についてお話します。

重要度:★
難易度:★

動画サイトはビデオクリップや投稿動画見るだけのものではなく、操作マニュアルとしての活用方法もあります。

例えばYoutubeで【エクセル 関数】と入力すると約350件の検索結果が出ます。
そのほかにも、photoshopやillustratorなど、ソフトウエアの操作方法やiphone・andorid関連の動画。はては、FX取引など、おそらくありとあらゆる動画があります。

私自身、photoshopやillustratorなど操作マニュアル関連はかなりの数の動画を自分のリストに入れてあります。

ウェブ上のマニュアルページでは、理解しにくい難しい操作でも、動画であれば簡単に操作を理解できます。

また単純にマニュアルとして使用するだけではなく、ある商品を購入する前にどういったものであるのか?といった確認もできる場合もあるので、とても重宝しています。

文字ベースの情報(WEBや書籍)は記録としては非常に便利ですが、動画はリアルな体験として記憶に残ります。これもある種のバーチャルリアリティーといってもよいかと思います。

特に専門性が高いものほど意外なことに、動画サイトに掲載されている場合があるので、ぜひ一度確認されては、いかがでしょうか。


2012年6月21日木曜日

docomoはガラパゴスに取り残されるのか? 今さら……第29回


docomoはガラパゴスに取り残されるのか? 今さら……第29回

今さら聞けないネットのあれこれ。
今回は
「iPhoneとdocomo」
についてお話します。

重要度:★★
難易度:★


6/19のドコモ株主総会で、山田隆持社長は、「現時点では、iPhoneの導入は難しい」との回答をしました。

「現状ではiPhoneの取り扱いは厳しい」、ドコモ山田社長
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120427/394123/?ST=keitai


色々と噂が絶えない、ドコモのiPhone導入。
何故、iPhoneの導入が難しいのか?
その理由として、大きく二つの原因をあげています。

1.現ドコモユーザーが望む、機能がiPhoneに搭載されていない。
2.ボリュームコミットメント※1に関して


1.ドコモユーザーが望む機能
・おサイフケータイ
・ワンセグ
・赤外線

2.ボリュームコミットメント(ノルマ)
確かにこれは難しい問題で、山田社長いわく、「売り上げの全体何%をiPhoneが……」と言っていす、つまりドコモ全体の販売台数の●%以上iPhoneを売らないとダメなようですね。

ちなみに、これだけ嫌がっていると言う事は、最低でも25%以上なのかな?
などと、想像してしまいます。

さて、上記の様な理由でドコモはiPhoneを「現状では売らない」と言っています。
まぁ、今回の発言で「ドコモでiPhoneが出れば、買う」と言っていたユーザーの何割かが確実にauやSBに乗り換えるでしょうね。

しかし、問題はそこではなく、今回の回答で今後のドコモの経営戦略が観てとれるというところです。

総会では、
「iPhoneはドコモが目指すモデルとは相反する。メニューを追加することも難しい。スマートフォンの半分以上は、我々が自由にできるAndroidをベースにしていくのがドコモの大前提」
だと言っています。
また、
「iPhoneは通信事業者のネットワークを“土管化”するモデル」
と、遠まわしにappleに対しての嫌悪感を表しています。

 画像:Nikkei Business Publications


つまり、内部プログラムの変更がドコモで出来ない商品は売らない。
土管呼ばわりした、ネットワークモデルですが、要するに、自社サービス(ドコモの独自サービス)を使用しない端末を、販売する気はない。
と、はっきり言っています。

現在の携帯事業者の立場からすれば、通信費用のみで売上を確保する事は難しく、付帯サービスにて、毎月定額を徴収できるシステムが絶対に必要である事は解ります。

iPhoneはAppleから色々と言われるのでと、文句を色々といっていますが、実際のところは、独自サービス利用者の減少を止める事が大きな目的だと思います。

考えてみてください。
iPhoneを導入して、ドコモユーザーの1/4がiPhoneに乗り換える(極端な数字ですが)、今まで毎月入っていた、サービス利用料金の1/4が入ってこなくなる。

ましてや、iPhoneを導入したからと言って、既に3番手に甘んじているドコモに対し、他社からの乗り換え顧客がどれだけ望めるのか?

これは、厳しい選択ですよね。
導入すれば、利益が下がりかねないリスクが確実にあるのに、「単に人気がある機種だから売る」という事は、経営者としては、出来ませんよね。

しかしながら、現状ではドコモはジリ貧です。

そうなると、ドコモがとる手段はただ一つ。
Android帝國を構築し、更なるガラパゴス化の強化。

もう、このシナリオしか残っていません。
まぁ、日本国内でしか勝負をしようとしていないのだから、それはそれで問題は無いように見えますが。

なんと言いましょうか、この歪んだ事業モデル。

今さらなので、あまり言いませんが「汎用性があるようで、実は専用機」というAndroid端末をドコモはこれからも売って行くのですね。




ボリュームコミットメント※1
これは、山田社長が自ら語った言葉らしく、どうやら、販売ノルマと言う事らしいです。
つまり、契約する場合、ドコモの総販売数の●%または、規定数量の端末買い上げと言ったノルマが課せられるようです。




2012年6月20日水曜日

サポートセンターの活用 今さら……第28回


サポートセンターの活用 今さら……第28回

今さら聞けないネットのあれこれ。
今回は
「 サポートセンター の活用方法」
についてお話します。

重要度:★★
難易度:★


サポートセンターへ直接電話で問い合わせたことはありますか?

私のような日々パソコンやインターネットに触れている者でも、何かトラブルがあった時に、最終的に頼るのはサポートセンターになります。

サポートセンターというと、その名前から何かトラブルがあった時に利用するものと思われがちですが、実際にはトラブルだけではなく、製品もしくはサービスに対する疑問などに対する直接的な窓口でもあります。

インターネットの検索を使えば、ある程度の情報は得られますが、その情報が必ずしも求めている回答であるとは限らない場合があります。また、そういった情報が検索にない場合は、求める情報にたどり着けない場合もあります。

例えば、ある商品を購入したい場合、その商品に対するレビューやブログなどで、ある程度の情報を得ることはできますが、そういった情報は意外と一般的なもので、自分がほしいと思っている情報が必ずしもあるわけではありません。そういった場合に直接サポートセンターへ問い合わせると、探していた情報が簡単にわかることがあります。

つまり、購入した商品や会員サポートだけではなく、これから購入する商品あるいは加入しようとするサービスに対しての疑問点を短時間で明確にすることができます。

もちろん、時間的に余裕があり、質問事項が明確な場合はメールでの問い合わせでも、問題ありませんが、直接電話で問い合わせる理由の一つにサポート対応の確認があります。要するに、問い合わせた時の担当者の対応の善し悪しや、満足できる回答内容が得られるか?などの確認になります。

まぁ、一般論ですがサポート体制がしっかりした企業はやはり信頼できますし、そういった企業の商品であれば不思議と安心できます。

最近はネットでの商品購入やサービス利用はごく当たり前になっています。またブログやSNSなどで商品情報やサービスの内容といったことを確認することが簡単にできますが、いろいろな情報があるために逆に情報に振り回されてしまう場合もあります。
多くの情報から自分でその情報が正しいかどうかの判断を常に選択しなければなりません。

SNSやブログ上に書いてあることは、あくまで他人が書いた内容なので自分が感じていることと違う場合があります。そうした場合最後は人と人とのコミュニケーションによって自らが判断を下す場面が必ずと言っていいほどあるかと思います。

その場合にサポートセンターが最終的な判断基準になります。
やはり自分の耳で聞いた情報は信頼にあたります。

商品やサービス利用に当たりSNSやブロ等での確認だけではなく、積極的にサポートへ問い合わせをすることで多くの疑問が短時間で解消されますので、不安があるのであればまずサポートへの問い合わせをお勧めします。


2012年6月19日火曜日

音声認識ソフトについてのその後 今さら……第27回


音声認識ソフトについてのその後 今さら……第27回

今さら聞けないネットのあれこれ。
今回は
「音声認識ソフトの実力は?」
についてお話します。

重要度:★
難易度:★★


音声認識ソフトについて
Windowsに標準で入っている※1音声認識ソフトを使ってみた感想など。

以前のブログに書いた音声認識ソフトを使ってみましたが、正直な話まだあまり使い勝手がいいとは言い切れません。

実際この文章も音声認識ソフトの入力で書いていますが、一般的な形容詞や動詞などのある程度言葉が予測されるものについては意外と入力は簡単ですが、日本語の場合、同音異語の言葉が非常に多いので文字変換に問題が生じる場合が、かなり多いです。

例えば政策制作は、どちらも発音としては同じ「せいさく」です。

マイクロソフトは文節の流れを読み、文字を予測する技術を取り入れているらしいですが、実際の音声認識ではどちらも同じ処理をされるので、「せいさく」と単体で発音するのではなく、ある程度の長さの分節として、言葉を入力する方法が最も早く確実に入力ができます。


意外かもしれないですが実際に単語毎に区切る入力より、ある程度長い分節の方が認識精度が高いです。

これは、音声認識ソフトを使用するにあたり、ある程度の量のテキストを読みあげる「トレーニング」を行い、そのデータをプロファイルとして、保存するため比較的高い確率で音声認識をしてくれます。

また、発音に関しては、それなりに高いレベルを要求されます。
アナウンサーとまではいかないですが、最初はそれなりにきちんとした発音を心がけた方がいいです。

これはキーボード入力でも同じですが、正確な打ちこみをしないと、正しい変換をしてくれない様に、発音も初期のころは、正しい発音を心がけた方がよいようです。

例えば、「文章」という単語は【ぶんしょう】(最後のに注意)と発音しないを認識してくれません。
話言葉だと、どうしても【ぶんしょ~】【ぶんしょ】【ぶんしょお】となる場合が多いですね。
これらの、発音では絶対に変換しないと言う事ではなく、変換の確立は、かなり探します。

また、ある程度同じ言葉を繰り返して、入力するとそのうちに【ぶんしょ】でも、変換するようにはなります。使えば使うほど、認識精度が高くなり、同時に個人が持っている、発音や文章構成の癖を読み取り、変換効率が上がります。

最初のころは音声入力とキーボード入力を同時に行いつつ(変換ミスの箇所をキーボードで修正)、文章制作を行うことで、キーボードからの入力はかなり減らすことができます。

ただし、現在この音声認識プログラムに対応しているのは、MSWordとInternet Explorerのみなので、使用する場面は意外と少ないかもしれません。

市販の音声認識ソフトは、他のアプリケーションとの連動が可能で、しかも変換効率は、かなり高いです。ただ、マーケットとして、まだニッチな分野なので価格も10000~20000円と機能の割には高い設定になっているように思います。

まぁ、スマートフォンでの音声入力がかなり高い精度で出来るようになっているので、この技術がPCに降りてくれば、ソフトの価格も下がるかもしれませんが。






※1.正確には、追加プログラムをインストールする必要がある場合があります。