2012年7月2日月曜日

電子書籍の現状・【フォーマットについて】 今さら……第34回

電子書籍の現状・【フォーマット】 今さら……第34回

今さら聞けないネットのあれこれ。
今回は
「電子書籍の現状」
についてお話します。

重要度:★★
難易度:★★


Googleがネクサス7を発表して、アメリカではアマゾンのキンドルキラーのように言われていますが。
日本での発売は未定ですね。
キンドルについても幾度となく、日本発売の噂が流れていますが、未だに発売される様子がありません。
それは、何故なのか? 一言でいえば日本の電子書籍を取り巻く環境が特殊だからだと言えます。

と言う事で、数回に分けて日本国内における電子書籍の現状を、独断と偏見で語ってみたいと思います。

その1回目は、電子書籍のフォーマットについて、お話します。

1.フォーマット
なぜに共通フォーマットにしないのか?
共通フォーマットを採用すれば、色々なメリットがあるはずなのに、何故共通フォーマットを採用しないのか?

元々、電子書籍には、ePub(イーパブ)※1という世界標準のフォーマットがあります。
このフォーマットは、アップルが採用している正式な電子書籍のフォーマットでもあり、アマゾンの使用しているフォーマットの基本でもあります。
(アマゾンのフォーマットはePubをベースとして独自のコードを追加したモノです)

世界的に見てもこのePubが、一般的には電子書籍の基本フォーマットとなっています。
しかし日本国内ではこのePubを使用した電子書籍というのはほとんどありません。

なぜなら、このePubフォーマットのデータファイルは基本的に、端末にダウンロードし保存してから閲覧するタイプになっているからです。
(もちろんダウンロードせずに閲覧することも可能ですが)

ダウンロードするということは、いつでも好きな時に本を読むことができます。しかしその半面販売店もしくは出版社は一ユーザーにつき一回しか課金が発生しません。

これでは出版社としてはあまり旨味がありません。また、ダウンロードしたデータをファイル共有ソフト等を使用して、ネット上に流出てしまう事も、ePubを使用しない要因の一つと考えられます。

そして、おそらく最大の理由として、ePub形式のデータは小説や、論文等のテキストを中心としたシンプルなレイアウトの書籍には向いているのですが、雑誌などの写真を多様したものや、
雑誌の見開きのように複数ページにわたる表現が苦手です。
つまり、見た目がシンプルで凝った表現には向かないデータ形式なのです。

日本の場合、広い意味で書籍とは、雑誌や漫画などが含まれます。
書店を見ていただければ、判ると思いますが店舗の売り場で、雑誌や漫画、コミックと言った売り場は店舗面積の1/3程度の広さを占めているかと思います。
つまり、それだけ雑誌などが売れている。ということになります。

出版社が電子書籍をはじめようと思ったときに、真っ先に考えることは、
「売れるコンテンツを作る」事です。となれば、自然と雑誌の電子書籍化を考えるはずです。

そのときに、見た目の悪い雑誌は売れないと判断する事は、容易に想像できます。
となれば、必然的にePubフォーマットでの電子書籍化は、せずに独自のフォーマットでの制作を検討することは、自然な事でしょう。

複雑なレイアウトには向かない事が、ePubフォーマットでの普及の妨げと言える大きな要因かも知れません。

もちろん、シンプルなレイアウトに変更してePub形式で制作することは、可能なはずですが出版社はより高い付加価値を商品に添加して、単価を上げることが出来れば、そちらに方が良いに決まっているので、当然の対応と言えます。

また、電子書籍を制作する際に雑誌用に制作したデータを流用して制作できるように出来れば、わざわざ電子書籍専用のフォーマットで制作する必要も無くなり、コストも下げられる。と考えるはずです。

しかし、実際はそう上手くはいきません。
制作に関しては後日詳しく説明するのでそちらをごらんください。

いずれにしても、現状の電子書籍を取り巻く環境は、日本に限ったことではなく、世界的に観ても、複数の電子書籍フォーマットが存在して、フォーマットの統一などと言うことは、むなしい絵空事のようになっているのが、現状なのです。



ePub形式
EPUB(イーパブ)は、電子書籍の規格の1つである。米国の電子書籍の標準化団体の1つである国際電子出版フォーラム (International Digital Publishing Forum, IDPF) が普及促進している公開された仕様の電子書籍用ファイル・フォーマット規格である。「EPUB」は"Electronic PUBlication"の意味を持ち「epub」「ePub」などと表記される場合もある。そのオープン性と単純さから、対応する電子書籍のハードウェアやアプリケーションソフトウェアは多く、英語圏での電子書籍用ファイルの標準規格となっている。 
出典:wikipedia EPUB




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