ホイールハブのメンテナンス。
最近のロードモデル用のホイールハブは、シールドベアリングが主流で、比較的安いホイールでも、メンテナンスフリーになってきてますね。
※言っている意味がわからない人は、【ハブ シールドベアリング】で検索してください。
まぁ、この流れはビギナーライダーとかには、手間がかからず非常に良い事だとは思います。
が!
シマノのホイールはそうではありません。
シマノはエントリー用の500番台のホイールから最上位の7000番台のディユラエースまで、全てカップアンドコーンと言う方式を採用しています。
(ロードだけではなく、MTBのホイールも同じ)
何故シマノはカップ&コーン方式を採用しているのか?については、下記リンクを観て頂くとして。
http://cycle.shimano.co.jp/publish/content/global_cycle/ja/jp/index/enjoy_knowledge/m_function/bearing.content.html
このカップ&コーンが曲者で、長く使おうと思ったら、最低でも年に1回ぐらいのメンテンスをしてやらないと、トラブルが……
メンテナンスなんて言っても、やる事は開放して、清掃&グリスUP程度の作業です。
それほど難しい作業ではありません。
専用工具(ハブスパナ)が必要になりますが、作業自体は古いグリスを拭き取って、新しいグリスを詰めてやるだけの単純作業です。
しかしこのメンテナンスが結構重要で、ホイールの寿命を左右したりします。
では、メンテナンスしないでいると、どうなるかをご覧に入れます。
これが、衝撃画像!
左が問題のパーツ。右は新品。
左側のパーツに一段段差があるのが、わかりますかね?
このパーツは、下の画像の4番に当たるパーツで、コーンと呼ばれているパーツです。
斜めになった箇所でベアリングを支えているのですが、新品は当然綺麗ですが、左の奴は、なにやら、筋が……そう。実はその筋の部分でベアリングを支えていたんです。
つまり、何らかの異物等が混入して、ベアリングとコーンの間に入り込み、その異物がコーンを削っ
では、更に拡大ドン!
ここまで、コーン本体が削られるって…
実は、この状態になるまで、2年ほど掛かっています。
と言うかですね、スペアパーツを入手してから、半年以上放置(そのまま使用)していました…
もうね、ここまで来ると負の連鎖がはじまって、最初に発見した時はまだベアリングは大丈夫だったんだけど、現状はベアリングもこんな感じ……
ベアリングって、鋼材の中では、比較的硬い素材なんだけど…
ここまで傷が付いていると、もう最悪です。
この状態では、ハブの回転もまともに回りません。
もしこの状態で使い続けるなら、今度はカップ側(ハブ本体)までダメージを与えて、最終的に最悪ハブ本体の交換です。
今回は、カップ(本体)側には影響が無く、単純にベアリングとコーンの交換で作業終了。
ちなみに、使用しているホイールは、WH-R550です。
通称「鉄下駄」と呼ばれているシマノのエントリーホイールですね。
安くて、丈夫(重い)が取り柄の、素晴らしいホイールです。
その昔、自転車屋が
「シマノの500番系のハブは、最低でも年1回のグリスUPをしないと、性能がキープできないよ」
と言っていたのを思い出しました。
つまり、年1回グリスUPをすれば、必ずハブを開けるので、内部の状態が確認できるから、その時に内部状況を確認しなさいと、言う事ですね。
さて、ヤバいパーツを交換して、古いグリスを綺麗に拭き取ってから、新しいグリスを塗ってベアリングをセットします。
後は、ハブ軸を通して、新品のコーンをハブ軸に廻して入れながら、玉あたりの調整をして作業完了です。
※玉あたりは、その言葉通り、ベアリングと、このコーンを抑え付ける力(玉をあてる)の調整です。この調整を緩く締める場合と、きつく締める場合でハブの回転が違ってきます。この締め付け調整次第で、ハブの性能?が決まるくらい実は重要だったりしますが…
作業自体は、15分程度かな?
問題が無ければ、本当に簡単に作業が終わります。
ハブのメンテナンスは、走行性能に直結する部分なので、結構走りの感覚が変わったたりします。
ハブはブレーキ周りに次いで、命を乗せている重要なパーツでもあります。
(最悪走行中、ハブがロックしたりすると… とかね)
自分でメンテナンスする場合は、自己責任となりますからその辺りは慎重にお願いします。
メンテナンスに自信が無い人は、ショップで見て貰った方が良いでしょう。
その時に、出来れば作業を見せて貰って自分で出来るようにするのも、一つの手です。
ちなみに、このホイールは現在かみさんのクロスバイクに使用中です。
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